About

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“ありのまま” の自然を感じる

WASAMATA HUTTEは、標高1150mに位置するキャンプ場&ヒュッテです。大峰山系のひとつ、大普賢岳への登山ルートとして、年間数多くの登山者が訪れるエリアとなっています。

ヒュッテ前に広がるキャンプフィールドはかつてのスキー場。斜面上部のシンボルツリーに設置されたツリーデッキを登れば、大台ヶ原を望むことができ、夜には満天の星空が広がります。フィールドをさらに登ると、ブナの中に赤いヒメシャラの巨樹が美しく映える広葉樹の森が広がっています。

一方で、周辺は修験道の聖地として深い自然に身を置き、厳しい修行に取り組む場でもあります。
大普賢岳までの道には、平安時代から続く「千日籠」と言われる厳しい修行が行われてきた「笙の窟」をはじめ数々の行場が点在しており、今もつづく日本古来の山岳信仰を肌で感じることのできるエリアです。

自然への畏敬の念が根底に流れるこのエリアで、私たちは開発を最小限にとどめ、訪れた利用者の皆さんが、“ありのまま” の自然を感じ、自然と向き合い、自分を見つめ、生きるチカラを蓄え、リフレッシュできる場となることを目指しています。

Leave No Trace

山岳信仰という文化的背景により保たれてきた自然環境は、次世代へと引き継ぐべき重要な資産です。キャンプ場運営による周辺自然環境へのインパクトを最小限にするのはもちろんのこと、キャンプ施設があることで周辺の自然環境の改善につながるような活動・運営を目指します。
アウトドア活動において環境へのインパクトを最小限に抑える国際的な環境倫理プログラム “Leave No Trace”(以下LNT)の考え方を導入し、施設利用方法に反映させるほか、利用者の皆様自身にも環境へ負荷を与えないアウトドア・キャンプのスキル・考え方を身につけることができるような施設を目指します。

Leave No Trace 7原則

  • ・キャンプの前に計画をしっかり立てよう。
  • ・影響の少ない場所で活動しよう
  • ・ゴミの適切な処理
  • ・見たものはそのままに
  • ・焚き火の影響を最小限に
  • ・野生動物への配慮
  • ・他のビジターへの配慮

Leave No Trace

特定非営利活動法人リーブノートレースジャパン
https://lntj.jp/

歴史

大峯奥駈道の行場
笙の窟 -しょうのいわや-

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産である大峯奥駈道は、吉野と熊野を結ぶ170kmに及ぶ山岳道で修験道の開祖役行者が8世紀初頭に開いたとされ、大峰山脈の主稜線沿いに75の靡(なびき)と呼ばれる行場(霊場)があります。和佐又山周辺地域には、62番目の靡で、最も厳しい修行が行われた雪中参籠の行場「笙の窟」があります。
北野天満宮の縁起が描かれた国宝「北野天神縁起絵巻」には、ここで修行した道賢(日蔵上人)が、冥界を訪れ菅原道真と出会った話が描かれているほか、百人一首の「もろともに あはれとおもへ山桜〜」と歌った行尊も修行していたようです。また、平安末期から鎌倉時代の歌人として有名な西行法師も、笙の窟を訪れ、歌を残しています。日蔵、行尊、西行、それぞれ時代は異なりますが、鎌倉時代に後鳥羽上皇が編纂した「新古今和歌集」三人の歌が載せられており、和佐又山から大普賢岳に向かう登山口に三人の歌碑が置かれています。

平安時代から修験道を支え
山林管理を行ってきた天ヶ瀬の人々

霊地「笙ノ窟」の管理や支援基地として山伏が定住し、「天ヶ瀬(あまがせ)」という集落が発生しました。笙ノ窟の籠修行はだれもが入山し修行するようなことはできず、許可された特別な者だけが山に籠り、「千日籠」と云われる厳しい修行を行ってきました。三年以上の長期間を一人でこの修行を完遂することは不可能であることから、支援基地から多種多様な支援や助力を受けていたことが考えられます。天ヶ瀬の人々による修験者の支援は明治時代まで続いていたそうで、幕末から明治時代中期にかけて活躍した林実利(実利行者)が行った千日籠の支援を行っていたそうです。修験道の支援のほか、周辺の山林管理も行ってきた天ヶ瀬の人々は「天ヶ瀬組」という集落組織として活動してきました。1956年には公益法人「財団法人天ヶ瀬組」が設立されると、1958年には和佐又山スキー場を開設・運営を行うようになりました。山間部にあった天ヶ瀬集落は、交通の便などの理由で徐々に西原の別の集落への移転が進み、1983年には廃村となりましたが、現在でも山林管理や祭祀が行われています。

和佐又山スキー場から
ヒュッテ、キャンプ場

スキー場開設後、1982年に、中学の旧木造校舎が移築され「上北山村休養休憩施設」としてヒュッテが開業。大普賢での遭難事故の際には避難小屋としての役割を担ってきました。天ヶ瀬出身の夫婦が長年営んできたヒュッテは、一時期林間学校等に利用されるなど賑わい、大普賢岳への登山者や、キャンパーにも愛されてきましたが、施設の老朽化等により2019年に閉鎖。ヒュッテの建屋も解体されました。そして2023年、長年引き継がれてきたバトンを受けて、宿泊を兼ねた管理棟を新たに整備。キャンプ場と合わせてリニューアルオープンすることになりました。

自然

ヒュッテ周辺は、ブナやミズナラのほか、カエデ類の種類が多くみられ、秋の紅葉が美しいです。和佐又山山頂周辺には赤みがかった樹皮が特徴のヒメシャラのほか、ミズナラ、ブナ、カツラ、トチノキの巨樹が多くあります。

大台ヶ原・大峰山・大杉谷ユネスコエコパーク・吉野熊野国立公園

WASAMATAHUTTEの所在地である上北山村は、「大台ヶ原・大峰山・大杉谷ユネスコエコパーク」の中心部に位置しています。和佐又山周辺は核心地域を取り囲む「緩衝地域」として、「自然との共生=持続可能な発展」の研究の場でもあります。また、吉野熊野国立公園にも指定されており、周辺の自然環境への配慮が必要な場所となっています。

大台ヶ原・大峰山・大杉谷ユネスコエコパーク
https://ooobr.jp